前工程について
2021/10/12
前工程とは基本的に本生産に入る前の準備工程で様々な仕様を決定する工程となります。
パッケージ印刷における前工程はおおきく分けて設計と製版があります。
1,設計について
パッケージの生産にあたりはじめに形状設計が必要となります。それは内容物、用途、デザイン、コストといった様々なニーズを元に顧客と共に進めていきます。また、材質決定も重要です。こちらも同様に内容物、用途、デザイン、コストからベストな用紙(色味、風合い、厚み)を選定します。
形状決定にあたり注意が必要なのは生産設備にマッチするかの確認が必須です。
トムソン工程で使用する抜き型の作成に支障がないか、または貼工程で使用するサックマシーンのスペックにより機械貼が可能かどうか。貼工程に関してはスペックが備わっていてもオペレーターの技量により機械貼り出来ないといった事があります。それらは生産する会社によって異なるため依頼する側は事前に把握しておくことが大切です。特にサイズ(極端に大きいor小さい)や特殊形状(仕切一体型や台紙一体型の紙箱)で機械貼りが可能かどうか、スペック上可能でもシビアな設計や印刷・表面加工を終えた後の用紙の厚みや硬さによって条件が変わってくるため実機テストで確認が必要な場合もあります。
2,製版について
ほとんどの入稿データはいただいたそのままでは印刷できません。印刷工程の品質の担保が取れていないからです。品質の担保というのは見当ズレや色調の安定を狙った製版処理のことで実際の印刷時に考えられる様々なトラブルを回避することが狙いです。オフセット印刷機はデジタル出力機とは違い1色づつ色を重ねていきます。その過程で見当ズレによる色抜けや網点の潰れによる色調の変化といったトラブルに備えて実際の量産時に安定した高品質な印刷物が生産できる版作りを行います。このようなイラストレーター上での作業を終えると次はRIPを通し印刷版に対応したデータに書き換えます。印刷物は網点の集合でできておりますので描画されたデジタルデータを網点の集合体に変換し色数毎に版を作ります。次に色校正ですが、使用するインキは本番と同じインキを使います。特色インキについても社内で調肉します。表面加工は実機を使った加工を行いより再現性の高いサンプル作りを行っております。基本的に色校正は校正機で行いますが要求品質レベルにより本機校正も行っております。仕上がった色校正はサンプルカット機で設計した図面通りにカットし組立てて外観のチェックを行います。色味に加えて平面と立体との差といった仕上がり状態の確認とその他量産時に想定される懸念点が無いかチェックします。
印刷前工程は印刷機やトムソン機といった大型の機械設備のようなインパクトは無くあまりフォーカスされることがありませんが、ここでの作り込みが量産品質の安定や生産性向上に大きく影響を与えるためパッケージ作りの根幹になる非常に重要な工程と言えます。 弊社では製販一体となって高品質で低コストなパッケージ作りを実践し様々なニーズにお応えし続けています。