高級パッケージの再現
2021/12/01
印刷業界では歴史のある企業が多く存在します。
これは印刷という媒体が生活の中で様々な役割を担っており時代が変わっても日常生活の中で必要とされてきたからであります。
昨今様々な社会情勢の影響により必要であったものが不要なものへと変化していくといった事がよく見受けられます。
印刷物でも同様の事例として広告宣伝媒体がそれにあたります。パソコンに始まり現在ではスマートフォンやタブレットといった情報端末が普及しWEBを主体とした情報のデジタル化が進みチラシやパンフレット、ポスター、説明書等といった「紙」を使った媒体に代わり「紙」を使わないインターネット上に掲載されるWEB媒体に置き換わっていく時代に変わりつつあります。
そういった中で印刷業界では統廃合が進み業界再編の動きが加速しています。
先日ある化粧品会社様からの依頼で過去に販売していた商品を復活させるプロジェクトがあり弊社にパッケージの生産について相談がありました。
当時生産を請け負っていたパッケージメーカーは現在は存在せず、製品そのものはあるが版下データをはじめとした多くの必要な情報が何もない中で同じものを作りたいといった非常に難解な依頼でありました。
高級な化粧品のパッケージということもあり材質から印刷表現(版構成)特色の使い方等細部にわたりこだわりの感じ取れる商品であることからゼロから再現するには非常に難解な案件でした。
はじめは現物を見ながらデータを作成や特色インキの調肉からスタートしました。しかし、ある程度は近づけたものの微妙な特色の色味や掛け合わせの見え方、グラデーションの調子等が異なることに違和感を覚える仕上りとなりました。しかし何度も細かい調整を繰り返した末に同じレベルと思えるパッケージの再現に成功しました。
先方からも高評価をいただき無事に量産し納品までこぎつけました。
新しいものを一から生み出す難しさとは違って現実にある物を再現する難しさとは似て非なるものがあります。
ただし今回のケースでよくあるのが機械設備や材料の違いからある程度のところで妥協してしまいがちです。しかし、諦めずにトライし続けたことにより出来上がった製品の仕上がりに満足いただけたこと、何よりお客様の思いをカタチに出来たことが一番の喜びでした。QCDのあくなき追及により成し得た事で、これが当社の強みです。
同様の案件でお困りの際は是非当社へ一度ご相談ください。